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「17年前の事件……」
「そう…17年前……この3人が犯した放火の罪……その犯行現場が、今回の連続通り魔事件の犯行現場の近くで行われてるの……」
「じゃあこれで犯人の動機は分かりましたねっ……」
「……犯人は17年前の事件に関与してる人間よ……」
「だから再度聞き込みしたんですか…………じゃあそのスーツを着た男が犯人……でも、なんでスーツって……」
「焦んじゃないわよ……それに、殺され方にも特徴がある……」
「殺され方?……」
「3人はそれぞれ、ナイフで刺されて死亡してるけど……1人違う箇所を刺されてる……」
「…………佐々木さんっ!!……」
「多分犯人はそれぞれの被害者の元へ確認しに行ったのよ……」
「何の確認ですか?……」
「犯行現場の写真を持って誰がやったかを……」
「そんなの……少し調べれば分かるんじゃ……」
「それが出来ないからこういう事になったんじゃない……17年前……加害者の世間での呼び名は18歳の少年A……個人情報は完全に守られてる……一般人には調べようがないわね……」
「なるほど……犯人からすれば現場写真と被害者の記憶が割り符になってると……」
ん?……一般?……
「そういう事………そして見つけた……」
「それが佐々木さんだった……」
「1人背中を刺されてるのは復讐に来たと感じ取ったんだと思う……その恐怖から思わず逃げ出した……わざと背中に凶器を残したのはこれで最後って意味も含まれてる…………そうなると犯人の目星はつく………」
工藤はそう言ってメモ用紙を1枚めくった
「最後に殺された佐々木さん……その時の火事から生還した人間が1人居る……」
俺は指差す資料を目で追った
その時、身体を走り抜けた衝撃は忘れる事は無いだろう
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