好きな香りと嫌いな香り

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すると、そんな俺たちの元へ2人の男性刑事が近づいてきた 1人は30代前後の先輩刑事 巽 広樹(たつみ・ひろき)さん…… 高そうなスーツを身に纏ういかにもエリート街道まっしぐらといったオーラを過持ち出していた…… もう1人は俺と同期の新人刑事 山城 達也(やましろ・たつや)だ…… こちらは巽とはうって変わって黒の落ち着いたスーツ……入社式からいつも同じスーツを着てて、安売りでまとめ買いしたそう…… 目の前まで来ると巽は資料を読みふける工藤の机の前に手を置く 「よぉっ…久しぶりだなぁ工藤……」 「……そうですね………」 「相変わらず素っ気ねぇなぁ……もっと協調性持てって教えたろ?…」 「………忘れました………私、尊敬出来る人の話しか覚えられないんで……」 「…………口だけは立派だよなぁ……」 「30超えても立派になれない奴よりマシでしょ?……」 「てめぇっ……」 一触即発の空気を察した俺はすぐさまストップをかける 「まぁまぁまぁっ!!ストップ巽さんっ!!…ほら、もうすぐ会議始まりますんでっ……ね?…………ほら、山城っ……ちゃんと先輩席まで連れてけ……」 「おっ、おぉ……」 すると巽の視線が今度は俺の方へと変わる 「残念だなぁ灰嶋……こんな奴の下に着かされて……折角のお前の出世街道もっ……」 「いやいやぁ……今は別に出世とか興味無いですから…自分………それにあずっ…んんっ!!………工藤さんから盗めるものは沢山あるので、しっかり盗ませてもらいます……」 俺が言葉を遮った時、丁度会議室の入り口から続々と重役達が入って来た 「……ふんっ………好きにしろよ……」 軽く鼻であしらわれた反撃 言葉遮っちゃったけど大丈夫かなぁ~……後でネチネチ来るよなぁ~…多分……………まっ、いっか…… 深く考えない性格だし切り替えも早い 結構良い長所だ そんな時突然横っ腹に1発打撃が入った 「うっ!!…………ちょっ……」 「…………また下で呼んだ……」 「殴る事ないでしょ……」 「………会議始まるから前向きなって……」 「何ですかもぉ~…………ふぐぅっ!!……」 一瞬の隙を突き放たれた2発目 「…………後…窃盗罪……」 何なんだよっ!!…… キリッと睨みつけるが工藤は何食わぬ顔で資料を読みふけっていた
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