4人が本棚に入れています
本棚に追加
「灰嶋…行くよ……」
「はい……」
会議室を後にし、廊下を歩いていく
俺たちの仕事は駅周辺の聞き込みだ
俺が車を運転して、先輩は隣でまた資料に目を通していた
「………何か、気になるんですか?……」
「………別に?………あんたは運転だけしてりゃいいの……」
「うぅ………」
まぁ、いいか……先輩の方が頭キレるのは確かだし……
だがこの日は何の進展も無く、聞き込みだけで1日が過ぎて行いった
得た情報と言えば
全く目撃者が居ない事と全員独り身だという事だけだ
車を停めたパーキングに足を運ぶ
「進展無しですねぇ~……犯人像すら掴めないなんて……」
「無駄口叩いてる暇あるなら、さっさと車動かして……本庁で調べたい事あるから……」
「調べたいって……何を……」
「行くよっ……」
「教えてくれてもいいじゃないですかぁ~……」
「報告書……頼んだから……」
「えぇっ!!……1人でですか?……」
「なんの為に1人で聞き込みやらせたと思ってんのよ……」
この為かぁ~っ……
俺たちは再び車を走らせ本庁へと戻っていく
亜豆(あずき)先輩は確かに横暴だ……
そりゃあ、他の先輩刑事とは折り合いがつかないだろう………後輩の俺くらいが丁度いいのかもしれない……
「なにぃ~っ!!……ちょっ!!車停めてっ!!……」
「え?……」
「良いからさっさと停めろっ!!……」
「あ~っ……はいはい……」
大通りを走る車を脇に停めると、工藤はすぐさま車を降りていった
その横顔は満面の笑みだ
でも、可愛い所もある……
最初のコメントを投稿しよう!