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工藤はテンション高く小走りで洒落た雰囲気のカフェへと飛び込んでいく
外の看板には新装開店の文字が
無類のカフェ好き……いや、コーヒー好きだ…………一般的なカフェはもちろん…猫カフェ、読書カフェ、純喫茶など……その店のコーヒーを飲みながら、ゆっくり時が流れていく……
……その時間が唯一の安らぎの時間なんだそう……
俺も唯一の安らぎの時間を楽しもう……
俺は車の窓を開け、胸ポケットからタバコを取り出す
1本咥えるとそれに火を付けた
「フゥーッ……」
あー、生き返る……
こうなった工藤は最低30分は戻って来ない
と、思っていたのだが
バンッ
ん?……
「ちょっ!!……何車ん中で一服してんのよっ!!…」
振り返ると、また奴が居た
「おわぁっ!!……先輩っ……」
車に戻って来た工藤の手には携帯用のコーヒーカップが握られている
「臭い付くからやめろって言ったでしょうがっ!!……」
「はいっ!!……すぐやめますっ!!……」
携帯灰皿を取り出しすぐに火を消す
「あー、もう最悪っ……せっかくコーヒーの良い香りで落ち着いてたのに………補給しなきゃ……」
工藤はそう言うと、持っていたコーヒーカップの蓋を少し開け、顔の前で臭いを吸収していた
「たくっ……隙あらばすぐ吸うんだからっ……」
「……いやぁ~……まさかテイクアウトしてくるとは思わなくて……」
「そう言う問題じゃないでしょっ?!!……車に臭い付くのっ!!……私の安らぎ返せっ!!……」
「………すいません……」
俺の安らぎは~……何処へ~……
半べそをかきながらも、車を走らせる
「でも、今日はやけに早いですね……いつもなら30分は帰って来ないのに……」
「仕事中でしょ……それくらい弁えてるわよ……」
……いつも仕事中のような~……
「それに…嫌な予感がする……こういう時は早めに動いた方が良いの……」
「……勘ですか……」
確かに彼女の勘は鋭い
人並み以上ではあるだろう
でも……勘で動かれてもなぁ~……完全な情報社会になってきてる今の時代に勘って……
「あぁん?……なんか文句あんのっ!!……」
「無いですっ!!無いですっ!!……」
心読まれてる?……
あまりの鋭さに危うくハンドルを切り損ねる所だった
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