4人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい……出来ましたよ……」
結局3時間も掛かった……
まとめといた資料を持っていくと、工藤は優雅にコーヒーを啜りながら座って待っていた
「へぇ~……さすがに早くなって来たか……」
「あのねぇ……試すんならもっと他の事でっ……」
「はい、これ……」
言葉を遮り、手渡されたのは1枚の資料
「報告書…まとめといたから……もう帰っていいよ……」
「………工藤さんは?……」
「これからが私の仕事だから……コーヒーで休めたし……どうせあんた居ても邪魔だし……」
工藤はそう言って手渡した地図と時系列データを広げ、過去の犯罪歴資料を読み始めた
はいはい……邪魔ですか……
だが、俺は知っている
この人は表現の仕方があれだが根は良い人だ
定時に俺を帰す為だろ……
「じゃあいいです……射撃練習して来ますから……」
「はぁっ?!!……帰れって言ってんでしょっ!!……」
「業務は終わったんだし、何しようと俺の自由でしょ?……工藤さんに勝てるの射撃の腕と対人組手くらいなんで…………先輩こそ練習しないでいいんすか?……1発も的に当たらない銃なんて持ってても意味ないっすよ?……」
「なっ!!んにゃろ~っ!!……ケンカ売ってんなっ!!……」
「えぇ……売ってます……」
「………かっ!!…勝手にすればっ!!……」
怒る工藤を見て
何だかちょっとだけ勝ち誇った気分だ
「あっ、そうそう………用事あったら呼んで下さい……」
「…………誰が呼ぶか……」
少し怒りの混じった声
だが、それ程悪い気はしなかった
最初のコメントを投稿しよう!