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「どうした?」
あんまりな顔をしていたんだろうか。
いつもは向かい合って座っていても何も気づかない人に、何かに気づかれた。
果てしないこの先を思うなら、ここで踏み出せばいい。
けれども。
「寝落ちし掛けてた。」
そんなチャンスも、生かせない。
もう考えるのにも疲れてしまった。
そしてこの諦念は、今の幸せな暮らしを思えば、自分勝手でひどくわがままなものに思えた。
だから、私は壊さない。
私には壊せない。
変えられない。
今の私たちを。
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