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彼女と約束した時間まであと5分程だが、伊織はまだ来る気配がない。
遅れて来る時、いつもなら伊織は必ず連絡してくるのだが、今のところはない。
恭一は首をかしげたが、神経質になる気持ちはない。
ただ、おかしいなぁ…と、その時だけ思ったに過ぎなかった。
取り敢えず注文した、珈琲のカップを口に運ぶ。
珈琲を飲むと、無性に煙草が吸いたくなる。
「…癖だな」
恭一は小声で自分だけに聞こえるよう呟き、苦笑いを浮かべた。
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