彼女が現れるまで

9/19
前へ
/29ページ
次へ
この喫茶店を指定したのも、時間を指定したのも伊織だった。 その彼女はまだ現れない。 恭一は伊織にメールを送ってみた。 それから、今度はメールの返信を待つ。 ……いくら待っても、伊織からの連絡はなかった。 彼女の身に『何か』があったのか。 恭一は少し躊躇いながら、伊織の実家に電話をかけてみた。 何もないなら、それが良い。 『ごめん、寝てた~』 なんて言いながら笑ってくれたら、それが一番良いのだ。 呼び出し音が8回鳴って、伊織の母親が電話に出た。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加