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「人口…申し分なし。文明は…ふ~んなかなか面白いね。これなら、更に範囲を拡大しても良さそう。でも、先ずはこれぐらいに設定して…と」
高層ビルの屋上から、一人の少年が街を見下ろす。
腕には見たことのない電化製品が付いており、軽快なタッチでそれを操作する。
「まだまだ長~い僕の夏休み。その間僕を飽きさせないように、頑張ってよね」
『計測完了。これよりこの範囲内を我々の管理の元、ゲームシステムに切り替えます。なお、範囲を広げる際は、一からの入力となりますのでご了承くださいませ』
「ハイハーイ。OKっと。よし、みんなを呼ぼうっと!!」
夕方の帰宅ラッシュで騒がし東京に、サイレンの音が鳴り響く。
人の声、車の騒音、駅の放送を消すほどの大音量に周囲は騒めきたち、みな耳を塞ぎ座り込んだ。
音が消えた。
一瞬の静寂後。
「あああああああああああああああ」
赤い飛沫が白線を染めた。
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