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何も予定がない金曜日。
学校帰りに本屋に寄ろうと、一つ前の駅で降りた。ホームはサラリーマンや学生やらでごった返していて、明日にすればよかったと少し後悔した。
駅を出て本屋に向かう途中、突然サイレンが鳴り響いた。
「ーーーっ」
あまりの煩さに、耳を塞ぎながらその場にうずくまった。
隣で同じ姿勢のおじいさんが、何やらブツブツ呟いているみたいだけど、全然音に消されていて何を言っているのか分からない。
強烈なサイレン音だ、一体何が起きたというんだ。地震か? 津波か? はたまた弾道ミサイルでもきたか?
頭に浮かんでは、すぐ違うと否定する。
異常事態を知らせる警報なら、身動きが取れなくなるようなこんなバカでかい音には普通しない。
じゃあ、何だ。
辺りを見渡すも、みんな自分と同じ姿勢のままでいるため何も分からない。
数人立ち上がり叫んでいるが、その声もかき消されて意味をなしてない。
音が消えた。
安心したつかの間、
「ああああああああああああああああ」
立ち上がっていた男が、血飛沫を飛ばしながら叫んでいた。
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