第1章

2/2
前へ
/2ページ
次へ
「えー、この小学校と中学校が併設された分校で共に過ごして、学んで、遊んで、喜びを分かち合ってきた如月が卒業生として旅立ってゆくことになりました。彼女は卒業後、パティシエールとしての夢を叶えるため、フランスに留学することになっています。──如月、仲間たちに挨拶を」 「はい……」 「一組しかない学年のなか、九年間イジメもなく如月がよく纏めてくれたな、先生からも感謝する。ありがとう」 「いえ、私こそ、この学校で皆と一緒に過ごせて幸せでした。……これから、学ぶことが沢山できて大変かと思いますが、皆と頑張った日々が、糧と礎になると思います。皆、ありがとう。いつか私の作ったお菓子を贈らせてね。……そして、親友として応援してくれた香苗……私にとっては親友なんて枠には収まらないほど大切で大きな存在だよ。香苗がくれた言葉、『ケーキを取り分ける食卓は幸せに満ちるよ』って、忘れない。私は幸せを作ります」
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加