第十一章

7/50
前へ
/1006ページ
次へ
絶望のテープ』 ある家の小さな女の子が、突然行方不明になった。 捜索願いを出したが、見つかる事は無かった。 それから数日後の事、家族の元に一本のビデオテープが届く。 送り主は、不明。 再生してみると、中には少女の姿が映されている。 少女が密室に、一人で閉じ込められ泣き叫んでいる様子が、延々ビデオテープに収められていた。 それからビデオテープは、家族の元に毎日のように送られてきた。 少女は、だんだん痩せこけていき、発狂しているようだった。 やがて、映像の少女はグッタリとして動かなくなった。 捜査も一行に進む事なく、時間だけが過ぎる。 それでもビデオテープは、途切れる事なく家族の元に送られてきた。 少女は、もはや動かぬ死体となり、どんどん腐りだしていく。 それから、長い月日が経った今でも家族の元に、ビデオテープが送られてくるという。 ミイラのようになった、少女の死体を延々と映したビデオテープが…。
/1006ページ

最初のコメントを投稿しよう!

850人が本棚に入れています
本棚に追加