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「卒業おめでとう」
「ありがとう、先生」
泣きながら笑う幼なじみの姿に、胸の奥がチクリと痛む。
「こんなときに先生はやめろよ」
「ごめん。君のその格好を見ていたらつい、ね」
何気ない指摘が胸に刺さる。
「あのさ、俺--」
「待って!! お願い、その先は言わないで」
「え・・・・・・」
「これ以上心残りしたくないの」
「・・・・・・分かった」
本当は頷きたくない。
けどそうしないと、彼女を苦しめてしまう。
「私の我が侭を叶えてくれて、本当にありがとう」
「どう、いたしまして・・・・・・」
駄目だ。
せめて笑っていようと思ったのに、こらえきれない。
「それじゃあ・・・・・・バイバイ」
彼女は最後まで無理に笑いながら別れを告げ--
「私も・・・・・・だったよ」
小さな願いを叶えた彼女は、想いを残して旅立った。
透き通った青空に・・・・・・・・・・・・
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