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そういえば、ケーキ食べないと。彼女を抱いたあと、手早く下着とデニムだけ履いて、美和さんに手近にあった俺のセーターを渡した。冷蔵庫からケーキを取り出してベッドに戻る。
「裕人くんの匂いがする」
と言いながら俺のブルーのセーターを着た美和さん。
「ユニクロだったんだね。私もVネック持ってる。お揃いだね」
嬉しそうに話す美和さん。……素肌にメンズのセーターを着ただけのその恰好は……。俺が着ていると普通のVネックも女性の美和さんが着るとやけにVネックの開いた部分が大きいような。その下に見える素肌の面積が広いような気がする。あまり見ないようにしながらベッドにケーキを置く。フォークを美和さんに渡す。
「え? 」
無意識にフォークを受け取った美和さんが目を見開く。
「ここで食べるの? このまま? 切ったりとかしないで?」
「悪くないでしょ? 両側から食べていこうよ」
Merry Christmasと書かれたチョコのプレートを半分に割って片方を彼女に渡す。
「メリークリスマス」
ふたりでチョコをあわせてから食べた。
「こんなお行儀の悪い食べ方したの初めて」
生クリームのケーキを口にしながら美和さんが言う。
「でも、美味しいかも」
「お行儀が悪いのもいいもんでしょ? 」
と聞くとうん、と笑顔で答えてくれた。
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