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「マスター。コーヒーくれ。」
はいよー。と、やる気のない返答が帰ってくる。
俺にとってここは居心地のいい場所だ。他のアホ共の目から逃れられるシェルターだ。
いろいろ考えてると、隣に見知らぬ男が座ってきた。
「なあ、タバコ持ってるか?」
いきなりこんなことを聞く彼は恐らく、ヘビースモーカーだ。ヤンキーだろうか?どう見ても大人には見えない。
だから、
「シガレット菓子ならな。」
こう断った。
まあキレられると予想したのだが、予想外な事に彼は
「なんて奴だ!!しょうがない。俺のを吸おう。」
お前持ってるのかよ!!!ならはじめからそれ吸えよ!!とまあ、心で突っ込んでも意味ないんだけどさ。
隣でライターカチカチやってるし。
だんだん俺はそれを見てらんなくなってきた。
貸せと言おうとした瞬間にライターが燃えて跡形もなく消えた。
なんなんだよ、こいつは。
と、思ったら案の定ライターねだりやがった。
もちろん断った。そして、彼が放った言葉が
「なんて奴だ!!しょうがない。俺のを使おう。」
だからお前持ってるのかよ!!てか、さっきのアレどうしたよ!!
戸惑ってたら頼んだコーヒーが来た。あったけえ。
この渋味がこの店でしか出せない独特な渋さなんだよな。
「あれー?コーヒーって、ブラック派なんですね。」
うるさいが、軽く返事をしてコーヒーを啜る。
このしゅわっとした炭酸とほんのりした甘さ……ん?
まて。さっき飲んだ時は確かにコーヒーだった。
だが、今のは明らかにホットコーラだ。いつのまに……まさかこいつ。
「あー、やっぱり気付いたんですねー。味が変わってるのに」
味どころじゃない。俺はしかとをしてコーヒーだったホットコーラを啜る。この渋み、暖かさ。ホットコーラもたまにはいいかもしれない。
あれ?コーヒーに戻っている。隣にいた男もいない。夢だったのか?と思ったが、そうでもないようだ。なんせ、横の席にあいつが吸ってたタバコがどういう法則かわからないが刺さっているからだ。
一体あの男は何だったんだ?
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