恋まで……もうちょっと【1】

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   「あぁっ……んやっ……」 今までは撫でる様に触ってたのに、今度はギュッと掴まれる様にして触られてしまった。 「やば、声かわいすぎ……。あぁ、もうこんなになってるし」 もう、何がなんだか分からない。でも、早く離れて欲しい。 「はなっ……して……ぁっ……んっ……」 「戸波……戸波」 離してって言っても、離してくれない。 それ所か、何度も僕の名前を呼びながらも、もっと触られる。 あ……だめ……。 そんな事……されたら……。 「やっ、やだっ……やめっ……ぅっ……やだぁ~……」 情けないけど……ついに泣き出してしまった。 溢れた涙が、そのまま頬を伝って流れる。 それでも僕は、この涙を止めたくても、止められなかった……。 「戸波、大丈夫だから。泣かなくても、平気だから」 優しい口調で僕に言ってるけど、その言葉を素直に聞けなかった。 「もう……やぁ……」 ずっと抵抗しながら……。 「戸波……どうしよう……困ったな。俺の家だったらまだなんとかなるんだけど、ここじゃなぁ……」 ぶつぶつ言ってるのが聞こえるけど、一体、何の事を言ってるのか僕にはさっぱり分からなかった。
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