見守る存在

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   お昼になって、お弁当を持った僕は、再び愛さんの教室へ向かった。 向かう途中に、葎ちゃんには今日お昼一緒に食べれない事は伝えたから、大丈夫。 「あ、優君。来てくれたんだ、有難うね」 「ううん。こっちこそ」 ちょうど、愛さんが教室から出てきた所に遭遇したので、無事に合流が出来た僕達は、そのまま中庭に向かった。 「所で、今日はどうしたの?」 お互いお弁当を広げ終えた所で、愛さんが僕の方を見て、聞いてきた。 「うん、あのっ……」 ギュッと両手を握りしめて、僕は言う。 「あのっ、あのっ、愛さん……僕、言いたい事があって……。あの、ね……僕、瀬戸君の事が、好きって……気付いたんだ」 「……」 俯いた僕には、愛さんがどんな表情を浮かべてるか、分からない。 暫くの間、愛さんの声が聞こえてこないから、少し不安になってしまった。 前に愛さんは、自分は瀬戸君の事を憧れで好きだったと、言ってたけど……やっぱり、違うのかなぁ? それとも……僕が、急に言いだしたから困ってる? 愛さんには、ちゃんと伝えたいって思ったから言ったんだけど……やっぱり、言わない方が良かったかな?
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