見守る存在

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   「そっか、良かった……」 不安で落ち着かなかった僕の耳に、愛さんのそんな声が聞こえてきて、思わず顔を上げる。 「ん? どうしたの、優君?」 すると愛さんは、さっきと変わらない穏やかな表情で、僕の事を見ていた。 「ビックリ、しないの?」 それに少し安心して、ちょっと思ってた事を言ってみた。 「なんで? だって……私は、前に優君とお昼した時から、そうだと思ってたよ」 「えっ……」 けれど、愛さんからは予想外の言葉が返ってきて、思わず目を見開いてしまった。 この前って……瀬戸君に告白された次の日だったよね? あの日、僕はまだ自分の気持ちに気付いてなかったのに……あの時から、愛さんは僕が瀬戸君の事、好きになるって思ってたの?! そういえば……愛さん、分かった風に話してたっけ。 「で、両想いになれたんだ?」 「えっ……? なん、で……?」 思い出しながら、少しずつ納得していた僕に、またしても愛さんから予想外の事を言われて、動揺する。 僕、瀬戸君の返事とかは……まだ、言ってないよね? なのに、なんで両想いって愛さんは言ったの……?
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