見守る存在

5/12
前へ
/183ページ
次へ
   「ふふふ。だから、私言ってたじゃん! 予想では両想いだから、頑張って! って」 「あ……」 そう言えば……教室で別れる時に、そんな事を言われた気がする。 けど、なんで愛さんはあの時、そう思ったんだろう。 分からなくて、つい首を傾げてしまった。 「ふふ。ホント、優君って可愛いね。その可愛さに免じて、教えてあげるね。ほら、私……優君の教室にさ、二回行った事あるじゃない?」 「う、うん」 「その時にね、必ず瀬戸君と目があってたの」 「え……?」 言われて、ビックリした。 知らなかったって思ったけど、愛さんと目があうって事は、僕は背中向けてるから、見えないのは当然なのか……。 「一回目は私も意識しちゃって、目があって動揺したんだけど……。二回目の時にね、なんか不安そうな表情だったんだよね。その時に何でかなー? と思ってて、その後に優君の話を聞いたら、そうなのかなって、なんとなく思ったの」 「……愛さんって、凄い」 たった二回で、そんな予測しちゃうだなんて。 そう思ったから、ポツリと言った。
/183ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2005人が本棚に入れています
本棚に追加