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「あっ……」
言われて、瀬戸君に手を握られた。
どうしよう……ドキドキしちゃう。
「優……あのさ、俺……あの手紙貰った時、優からのラブレターだと思って、すげー喜んでたんだよ」
「えっ?」
そう、なの……?
「けど、違うって知って……誰からかなんて、どうでもよくなってた」
それを聞いて、瀬戸君がちゃんと読んだのか気になって、聞いてしまった。
「じゃあ、中身……読んだの?」
「……悪い。捨てずに取ってるけど、開けてすらない」
「え?」
どうして?
読んでないのに……どうして、大事に取ってるの?
「あー、あれは……優から貰った時の、イメトレ用に使っててだな……」
「?」
ぶつぶつと瀬戸君が言ってるけど、何を言ってるのかよく聞こえなくて首を傾げる。
「てか、もうイメトレしなくても、やってもらえんじゃん! あのさ、優……」
「へ? な、なに?」
さっきまで、思いつめてた表情を浮かべてた瀬戸君が、いきなり僕の事を呼ぶから、少しビックリしながら返事する。
「なぁ……俺、優からのラブレターが欲しいんだけど?」
「え……? 僕からの?」
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