おまけ

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   だから、僕は自然と瀬戸君と目をあわせる事を避けるように俯いて、口元に右手をやってしまう。 「……戸波……おいで」 少し間を置いて、瀬戸君から発せられた言葉に、僕の心臓はドキンと音を立てて鳴った。 そして、ゆっくり顔を上げてみると……瀬戸君が顔だけじゃなく、身体も僕の方に向けて、両手を広げてた。 その瞬間……僕は瀬戸君の胸に飛び込みたいと思ったんだ。 普段は向こうから抱きしめてくれるから、そんな事……したいなんて思わないのに……。 でも、そう思っちゃったら、僕の足が勝手に動きだしたんだ。 一歩、一歩……瀬戸君へ近づく為に、足が動く。それがいつしか、小走りに変わってたけど、足は……止められなかった。 だって……早く、あの胸に飛び込みたかったから……。 「うわっ」 僕はとうとう瀬戸君の元へ辿りついて、そのまま胸に飛び込んでしまった。 その時、瀬戸君のビックリした声が聞こえた。 僕はというと、恥ずかしさのあまり瀬戸君の胸に顔を埋めたままの状態で、動かなかった。 「………っ……優…」 僕の髪を優しく撫でながら、瀬戸君が僕の名前を呼ぶ。
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