2005人が本棚に入れています
本棚に追加
なんだか、急に自分のしている事が恥ずかしくなってしまって、もっと深く、瀬戸君の胸に顔を埋めた。
「優。顔上げて……」
でも、そんな僕の態度に怒りもせずに、瀬戸君は優しい声で言ってくる。
それなのに、顔を上げるのが恥ずかしくて、僕は顔を埋めたまま、首を振った。
すると、瀬戸君が密かに笑ったのが聞こえた。それから……肩を掴まれ、一気に身体を離されてしまった。
でも僕は、瀬戸君の顔を見る事が出来ないままだ。
だって……。
「んっ……」
唇が触れるだけだったけど、キスされてたから……。
瀬戸君と唇が触れあってたのは、時間にしては少し長かったかもしれない。
けど、僕にとってはあっという間に感じてしまって……離れちゃうのが、僕は名残惜しかったんだ。
「……んっ……蛍……ちゃん……」
だから、僕は無意識の内に、滅多に呼ばない呼び方で、瀬戸君に甘えて、キスをねだる仕草を取ってしまった。
「……優、可愛い」
その後、ニコッて笑った瀬戸君が、僕の望み通りの深いキスをしてくれて、僕は幸せで満たされたんだ。
≪終わり≫
最初のコメントを投稿しよう!