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「戸波(となみ)、キスさせて?」
どうしてこういう状況になってしまってるのだろう??
今、僕の目の前にいるのは、クラスメイトの瀬戸蛍太(せと けいた)君だ。
彼の周りにはいつも、人が集まっている。
男の子は、背が高く女の子にモテそうな人が集まってて、女の子も、可愛い人や綺麗な人が集まっている。
男女問わず分け隔てなく喋れて……格好いいって女の子にモテてるあの、瀬戸君。
そんな彼に比べて僕、戸波優(となみ ゆう)はといえば……眼鏡をかけてて、勉強が少し出来て――いわゆるガリ勉タイプ。
一応、クラスの副委員長をやっているけど……それは人望があるとかじゃなくて、頭が少しいいってだけで評価されて、なってしまっただけだし……。
そんな僕だから、お世辞にも女の子にモテるとは言えないんだ。
勿論、瀬戸君みたいに背が高くてモテそうな男友達も居ないし、それ以前に僕の周りに人が寄ってこない。
その上、瀬戸君と違って、誰とでも分け隔てなく話しかけれるタイプでもないし……。
寧ろ、それ以前に僕には、話し掛ける勇気すら無い。
ただし、副委員長という仕事を任されてるから、それについて用事があれば話し掛けるけど……。
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