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でも、大概は僕が近づいて行くと、女の子の方が逃げてしまう。
それは何故か――その理由も、知ってる。
以前、女の子達の話を偶然耳にしてしまった事があるから……。
『そういえば、うちのクラスの戸波君っているでしょ?』
『うんうん、居る居る!』
『あの子さ、すっごい暗そう……じゃない?』
『いくら副委員長やってたって、用事以外では喋りたくないよね~』
『確かにそうだねー』
あれを聞いたのは、いつだったんだろう……?
ただ、聞いたのは本当に偶然だった。
あの時僕は、自分の机にノートを置き忘れてた事に気付いて、取りに戻ろうとしてた。
だけど、教室のドアを開けようとした時に、クラスの女の子の笑い声が聞えて……何となく、教室に入り辛かったんだ。
だから、そのまま廊下でボーっと暫く、突っ立ってる状態だった。
そんな時に、偶然聞いてしまって……分かってはいたけど、実際聞くと、やっぱりショックで……。
あの日は確か、ノートを放置したまま、帰ってしまった気がする。
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