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だから瀬戸君は、誰も居ない教室なんかで、いきなり言い出してきたんだ。
きっと、何処かで瀬戸君の友達が様子を見てるに違いない。
「戸波……」
名前を呼ばれて、僕は我に返り、そして顔を上げた。
「えっ?」
そこで僕は、瀬戸君が驚くほど近くに来ていた事にやっと、気付いた。
これ、罰ゲームじゃないの?
何で瀬戸君が、僕にこんなに接近してくるの!?
もしかして……瀬戸君は完璧主義、なの……かな??
それとも、僕が驚いてる所を写真に収めるまで、とかいう条件の賭けでもしてるのかな??
「やっぱ、いきなり言われたら困るよな?」
ニコッと笑いながら、瀬戸君が僕に話を振る。
「う、うん……」
何だか僕は急にこの状況から逃げ出したくなって、俯きながら縮まった距離を、再び広げようとしたその瞬間、
「言われてもパッと来ないんだったら、先に行動しちゃった方がいいよな?」
ボソッと聞き取りにくい声で、瀬戸君が何か言ってきた。
へっ? 今……何て?
もう一度聞き直そうにも、そういう雰囲気じゃなくて……自分なりに瀬戸君が何ていったか必死に推測しようとした。
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