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―そうして式は進み、全てのプログラムが終わった後、私はレイ様に声を掛けておりました…。 「…皇は?」 私達がこうして会話をするのは実に二年振りですが…やはりレイ様もまた、皇様のことが心配でならなかったようです♪ 「現在は屋敷の方で静かに過ごしておられます。」 「…。」 「…レイ様は、どうなさるおつもりなのでしょうか?」 「…私は…。」 「…戦う…。」 「…何故、ですか?」 「…だって、私は…戦うことしか出来ないから。」 「いいえ、それは違います。」 「貴女には戦うことなど出来ません。」 「…貴女に、皇様と同じことは出来ないのです…。」 「でも皇は…!」 「あの方は…!」 「…逃げることさえ、立ち止まることさえ出来なかっただけなのです。」 「あの子は…ただ、人を愛することしか出来ないだけなのです…。」 「…貴女に、本当に同じことが出来ますか?」 「人に絶望を与え続け、人に恐怖を抱かれ続け、それでも…自身の全てを捨て続けることが出来ますか?」 「そんな道を…皇様が望むとでもお思いですか…!!」 「……。」 「…失礼致しました。 ですが…皇様の為を思うのであれば、あの方が何を望むかを考えるべきだと申させて戴きます。」 そう言い残すと、私は兎ノ助様に会釈をした後、校門を潜り、皇様方と合流をしました。 …少し厳し過ぎたかも知れませんが、この方の歩まれて来た道はそう言う物なのです。 例え…皇様が知られたくないと思っていたとしても…私は、分かって戴きたかった…。 この子が…他人の為に、どれだけ自分の幸せを犠牲にして来たか…。 冷たい言い方をするなら、それは「自業自得」であるのかも知れません。 …ですが、であればこそ、皇様は…それこそ、他人を犠牲にしてでも幸せになるべきなのだと…私は思います。 …いえ。違いますね…。私はただ、自分が幸せになりたいだけなのです。…この子と共に。
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