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「め・あ・ど!ね,教えてよー」
「あの…初対面ですよねえ…?」
「…そうだね?」
ちょっと何この人。
意味わかんないんだけど。
展開が早すぎる。追いつけない!
「しょ,初対面で…あんた,誰ですか?」
「…石井俊ですけど?」
「知ってますけど!私,石井さんのこと名前以外何も知りませんもん!だからメアドなんか絶対教えません!」
ここで「絶対」と使ったのは,何が何でもとアピールし,離れてもらうため…って!
「…久しぶりだあー!」
石井俊とやらが私の肩をゆさゆさしてきた!
その表情は穏やか。
怒る気にもならない。
「あのー」
助けを求めて周りを見回すと…っ!なぜだ!女子どもが私を睨みつけているではないか!麻衣と沙織は私の前の変人をうっとりと見つめている…と,その時。
「僕と付き合ってよ!」
固まった。
なにを言ってんだ,この野郎。
「…はい?」
私は思いっきり睨みつけたつもりだったが…
「え?いいの?ありがとー!!」
「え,ちがっ…」
私の「はい?」をこいつは「はい!」と間違えたらしい。
「あのおー「みんなー今日から僕,この子と付き合うことになったから!よろしくねー!」
「…へ」
そう言ってニコニコ笑うこいつを,心の底から嫌悪した。
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