第1章

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第1章

『ー資料集144ページ図3の少女を見て下さい。その昔、年齢を重ねた学生は学び舎を離れ、その節目が卒業式でした。』 資料集の図を見ながら僕は質問した。 「何故この女の子は泣いてるの?」 『友達との別れを悲しんでいるからです。』 「人間関係って複雑なんだね。僕には僕以外の人間がいないし、わかんないや。」 『・・・』 僕は人工知能が返事をしないのはわかっていたけど、感想を述べた。 もしちょっと昔に人類が絶滅していなくて、僕にも友達がいたら、この子みたいに別れを悲しんだのかな。 勉強だけなら今みたいに人工知能だけあれば事足りるけど、「悲しい」とかそういう人間らしい感情は人の中でしか学べないと思うんだ。 だから学校があったんだろうな。 まあもう僕以外いないし、必要ないかもしれないけど。 『では次のページを開いて下さい。これは大学生といってー』 そして人工知能は再び話し始めた。
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