第一騙 俺と宝良

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本日も快晴、良い天気。 閉め切ったカーテンを開け朝日を部屋に取り込む。制服に着替えた俺は日課である両親の仏壇に合掌した。 「おはよう父さん、母さん」 二人の娘、夲洙(もとあけ)ミクは今日も元気です。 …なんて言ってもな。俺、両親の事サッパリ覚えてないし。 聞いた話によると俺は五歳より前の記憶が無いらしい。それは丁度両親が死んだ時期と重なっていて。お医者さんが言うにはショックによる記憶喪失だろうってさ。 「うし。さっさと朝飯食って学校行くか!」 俺が通う学校はアヌファンシア学園って言って有名な魔導学園。その昔、アヌファンシアって言う精霊と契約した人が建てたんだってさ。 そこに通えば人生の成功は約束されたもの。特級クラスの生徒なんて王様が居る王宮の仕事に就けるんだもんな。 そんな学園に通う俺はさぞかしエリートなんだろうって?うーん、残念。俺は一切魔導使えませーん。学力のみで最低クラスに滑り込んでるだけでーす。 「この学園創設以来、魔導が使えない生徒が通うなんて信じられない!って先生に言われたし」 魔導は日常生活を送るのに欠かせないもの。使えない者は義務教育終了後、魔導と関係ない職業で低賃金で働かされる。 俺はそれが嫌で面接時、学力を満たす者は学園に通うのを認めるって校則を叩きつけて入ったさ。
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