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今まで自分の不運を嘆いていたのに、そういうことはどうでもいいように思えてきた。
何とかなると言う、前向きな気持ちを持つことが出来るようになった。
体中を巡るコーヒーは蜘蛛の糸のように、小田桐の体の中にある、不運を蜘蛛の糸で絡めとってしまったようだ。
店員は、小田桐の表情が変わっていく様を見て、微笑んでいた。
コーヒーを全てのみおえると小田桐はすっきりとした顔になって
「ありがとう。明日も生きていけそうだよ」と言うとお代を置いてくもの喫茶店を後にした。
それからは、小田桐の不運が無くなった様に思えるくらい幸運に恵まれる。
小田桐にとってはとても素敵な女性との出会いがあり。
仕事の方も順調に行き出した。
小田桐は、あのくもの喫茶店にもう一度行きたくて同じ場所に来て見ても看板はおいていないし。
いくら路地を入って探しても見つけることは出来なかった。
小田桐は、いったい、あのくもの喫茶店はどこに行ったのか。
あの店員の名前ぐらい聞いとけばよかったと思うのだった。
終わり
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