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そんな時、小田桐の目の前に現れたのがくもの喫茶店だった。
この道は、会社帰りにいつも通っているのでどこに何があるのか分かっているつもりだった。
だが、いつの間にか出来ているこの看板に見覚えがなかったのだ。
「こんな喫茶店、前からあったかなあ」と首をかしげながら言うと、看板の前にある、狭い路地裏に入っていく事にした。
薄暗い路地裏を歩いていくと、ボワーンと薄明りのともる家があった。
小田桐は明りのともる家の前に行くと古い喫茶店の建物が目の前に現れた。
立て看板とドアのノブにかけてある看板に、「くもの喫茶店」と書かれてあった。
小田桐は「うわー古びた喫茶店だなあ」と呟くと中に入っていった。
ドアを開けると、カウンターの中には端正な顔達の黒ぶち眼鏡をかけた、色白の細身の男性が一人作業をしている。
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