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やっほおうぃ!!巷で噂の、赤毛碧眼美少女、ソフィちゃんだよ!
なぁんていっても、わからないか。だーよねーっと。
『オオナカ何でも屋』で、『ヤドカリ』ちゃんとコンビを組むソフィちゃんは、喧嘩代行だとか、用心棒的な荒事担当者なのでぇす!
表面上は、しっかり皮膚と似た質感の素材で覆ってあるからわからないかもしれないけど、実は関節球体の、お人形さんだからね。そもそも性別あんのかってかんじではあるけど。つけられてるのが、女性名だから、一応女性ってことで!
壊れても直せる分、暴力沙汰になっても、自分でさえ躊躇ないっていうか。危機意識が壊れてる、とはよくいわれるなぁ。
「だからって、ここまでぶっ壊れるほど何してきたの?今回の依頼って、脱走猛獣の連れ戻しだよねー?」
そもそも、相方は?と首をかしげながら、ひじのちょっと上くらいの位置でぼっきりいっちゃった腕を直してくれるのは、何でも屋副所長の『眠り姫』ちゃん。白くてフワフワの長い髪、って時点で、人間離れしたかっわいーい女の子だけど、ちゃんと成人済みだよ☆
「ライオンさん、お手柄だったなぁ。おなかすかせた『ヤドカリ』ちゃんに、ごはん持ってきてくれたし、ちゃんと自分で檻に戻ってくれたし」
「あーもー!断面の欠片が足りないし……エンちゃーん!ちょっと粘土と接着剤ととにかく修復系の道具一式持ってきてください!!」
まあ、話がかみ合わないなんて、いつものことなんで、気にしないでね。わざと合わせてないっていうのもあるけど、『眠り姫』は気にしないでくれるから、らくだなぁ。
「まさか、人身販売組織とか、時代錯誤なものが出てくるとは思わなかったなあ。しかも、子供専門って、どんな趣味って思っちゃった☆」
「……………なるほど。あの子供好き、激昂して暴れちゃったか。親元に帰れない子の、面倒見るために、まだ帰ってきてない、と」
「あだだだだだだだだ!?もちょい優しく粘土詰めて!!」
涙目になって、叫ぶような機能がついてるのは、このソフィちゃんてば、元人間だからなのね。
なぜだか不機嫌そうな『眠り姫』ちゃんは、乱暴に空洞になった腕の中に粘土を詰め込むけど、痛覚は鈍いだけでちゃんとある。だから、
「ちょっとちょっとちょっと!」
「『蜘蛛』や『ヤドカリ』みたいな修理技術、期待しないでほしいですよー。両腕折れてるのは不便だって、頼みに来た以上諦めてねー」
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