第一章

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第一章

これは魚座の時代から水瓶座の時代に移りゆく人類を記録した回顧録である。  俺こと胡桃沢亮(くるみざわりょう)は、 ふと思ったことがあった。  実はアイスクリームが「甘い」と感じるのは、 最初に食べたとき「甘い」と感じるからであって、 最初に「辛い」と感じれば、 アイスクリームは「辛い」ものだと認識するはず。 アイスクリームは初めて食べるまでは味がわからず、 いうなれば食べる前までは「無味」ってことになるんじゃないかと思った。  ――ああ、またか。  いつもくだらないことを思いついてしまい、 嫌になるときがある。 こんなくだらないことを考えても学校ではなんの価値もない。 常識的な、 一般的な、 平均的な。 学校ではこのように教えられている。 別に学校が嫌いなわけではない。 友達もそこそこいる。 ただ、いつも感じる「ずれ」みたいな違和感があった。 特に同姓代よりも先生や両親といった年上の世代にだ。 なんの違和感かはわからない。 ただ、漠然と感じるだけだ。 そんなただ漠然と流されながら学校生活を送っている中で出会ったのが、あの彼女だった。
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