第一章

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 近所に昔両親とピクニックをした思い出の公園があった。 この公園は山の高台にあり、街を一望できた。 そんな公園から見上げる星々が綺麗だったため、最近、夜の公園に通い始めた。  空に広がる星々。眺めているだけで宇宙の彼方を空想する、その瞬間は何もかもを忘れさせてくれる時間(とき)だった  「なんだ、先約か」  初めはそんな感じだったと思う。誰もいない夜の公園。  そこにはすでに人がいた。  その日は今までに無いくらいに星が煌めいていた。  星の下ではうっすらととであったが、人の影が見えた。 その人影から女性、いや、その丸みから少女であろうと思った。 その少女は星空を見上げ、その姿に妙ななまめかしさを感じた。 少し時間を潰していたが、その子は帰りそうにないため帰ることにした。
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