第一章

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 授業という退屈な時間を浪費し、得られるのは一体なんであろうかと考えた。 無心にノートに書き写す行為を無駄と考えるのは俺だけであろうか。 ササキ、カトウ、スズキは常に学年で上位にいた。  ――うらやましいか。  と言われれば、あまりうらやましくないのはなぜだろう。 それよりもキクチとか、オオサワとかの方が人生を楽しんでいるように見えてしまう。  ――自分はどうか。  わからない、というのが正しいと思う。 流れに身を任せ、この国家のシステムをエスカレーターのように進んできた。 ただ、システムというのは効率的に回すためのものであるため、 それはそれで正しいことだと思っている。
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