第一章

6/85
前へ
/85ページ
次へ
 公園の少女を思い浮かべながら教室の窓から空を見上げた。 同じ行為をすることで何かわかる気がしたからだ。  あの瞳。  なにものにも代えがたい力強い瞳が俺の心の奥に深く食い込んでいる。 それはまるで強力な水圧の水鉄砲を胸に打ち抜いている、 そんな気分だ。 あの日以来、暇があればあの少女の事を思い浮かべていた。  なぜ、公園にいたのか。  なぜ、夜空を見上げていたのか。  そして、彼女はどんな人なのか。  思えば、あの日以来、 彼女のことを思い浮かべることが多くなった。 たった、一度、出会っただけなのに。
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加