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それから1週間が経ち…
お城では悲しみにくれた王様と王妃様が、一人娘のまんまる姫の安否を心配して、城門の外の広場で泣いていました。
「おぉ姫よ。何処へ消えたのだ。無事でいてくれ…。」
「私が厳しく叱りすぎたのです。姫、許して!出てきてちょうだい!」
辺りを捜索する兵士達も、手掛かりを見つける事すら出来ず、みんな諦めておりました。
「誰かお捜しですか?」
突然、王様に話し掛ける声がしました。
振り返ると、質素な服を着た、スマートでとても可愛い女の子でした。
凛と立つその女の子のまっすぐ見つめる顔を見て、涙を堪えながら王様が応えます。
「これは綺麗なお嬢さん。私のまぁるい娘を探しておるのですよ。とても丸くて…ボールみたいに…転がるのが好きな、まんまる姫をね。」
すると、女の子が愛らしく笑いながら、王様の手を取りました。
「ただいま、お父様!!」
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