4人が本棚に入れています
本棚に追加
「そりゃあもう、いくらでも。だけど、このジュースはあいにく、もうここにはありません。もう1つ下の穴まで来て貰えれば、いっぱい差し上げます。それに、下に居る大きいモグラなら貴女を引っ張る力があるかもしれません。」
それを聞いたまんまる姫は、少し悩みましたが、登るより楽そうなので、下の穴に行く事にしました。
下にコロコロ転がって、黒いモグラの後を降りていくと、小さな白いモグラが居ました。
白いモグラは、まんまる姫を見るとびっくりしたように叫びます。
「上から来たのか!!今すぐ出ていけっ!!」
「そうしたいのは山々だけど、上には転がれないわ。」
「自分の足があるだろう!!一歩一歩、歩けば出れる!!」
二人が睨み合っていると、黒いモグラが樽に一杯ジュースを持ってきて、白いモグラを追い払いながら言いました。
「あの白いモグラは相手にしちゃダメです。堅物で、口を開けばお説教ばかり。ささ、ジュースを飲んでください♪」
まんまる姫は、気を取り直してジュースを好きなだけ飲みました。
最初のコメントを投稿しよう!