【まんまる姫と不思議穴】

8/14
前へ
/17ページ
次へ
すると、白いモグラは突然止まり、まんまる姫をピシャリと叩きました。 「いい加減にしろっ!!この上の穴を見てみろっ!!お前がどれだけ下へ降りて来ているのか、解ってるのかっ!!」 そう言って、上の穴を指差します。 そこは、遥か上の地上まで続いているようでしたが…縦にまっすぐな穴には、地上の光がまるで針の先くらいに細く、微かに見えるだけでした。 改めてとても深く、とても遠くに来ていた事に、まんまる姫はショックを受けます。 「で…でも、大きいモグラさんが引っ張ってくれるって…。」 「ここに君より大きいモグラなんて居ない!!帰りたければ、自分で歩くしか無いっ!!…私が今から登りやすい穴を掘ってやる。傾斜が緩い分、とても長い穴になるだろう。歩いて1ヶ月くらいはかかるかも しれない。食べ物と水は用意してやる。歩くか!?それとも一生ここに居るかっ!?」 白いモグラの怒った顔に負け、まんまる姫はしぶしぶ歩く事にしました。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加