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すると、白いモグラは突然止まり、まんまる姫をピシャリと叩きました。
「いい加減にしろっ!!この上の穴を見てみろっ!!お前がどれだけ下へ降りて来ているのか、解ってるのかっ!!」
そう言って、上の穴を指差します。
そこは、遥か上の地上まで続いているようでしたが…縦にまっすぐな穴には、地上の光がまるで針の先くらいに細く、微かに見えるだけでした。
改めてとても深く、とても遠くに来ていた事に、まんまる姫はショックを受けます。
「で…でも、大きいモグラさんが引っ張ってくれるって…。」
「ここに君より大きいモグラなんて居ない!!帰りたければ、自分で歩くしか無いっ!!…私が今から登りやすい穴を掘ってやる。傾斜が緩い分、とても長い穴になるだろう。歩いて1ヶ月くらいはかかるかも しれない。食べ物と水は用意してやる。歩くか!?それとも一生ここに居るかっ!?」
白いモグラの怒った顔に負け、まんまる姫はしぶしぶ歩く事にしました。
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