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しかし、1日も経たない内に、まんまる姫が駄々をこねます。
「もう足が痛い!!歩けない!!苦い薬草と水ばかり食べるのはもう嫌よっ!!あの甘いジュースが欲しい!!ケーキが欲しい!!穴に転がって帰るぅっ!!」
そんなまんまる姫を再び白いモグラがピシャリと叩きます。
そして、鏡を取りだし、姫の顔の前に差し出しました。
「あのジュースとケーキは呪いの薬が入っている。飲めば飲むほど、食べれば食べるほど欲しくなり、段々と呪いは強くなる。自分の顔をよく見ろっ!!」
鏡に映った自分の顔に、まんまる姫はびっくり。
なんと顔にモグラのような髭が生えていたのです。
「呪いでモグラにされたら、もう2度と地上で暮らせない。君はお姫様だろう?俺みたいになっちゃダメだ。」
そう言って、白いモグラは穴を掘り進みます。
まんまる姫は、ゆっくりと立ち上がり、痛みと疲労で震える足を踏み出し、少しずつ進んでいきました。
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