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そんなある日
このは夏がすぐ近くまでやって来たような暑い日でした。
愛は朝から鼻をヒクヒクさせています。
「どうしたの?」
夢子さんが尋ねました。
「夢子さん、雨の臭いがする。 向こうから大きな雨がやって来る」
「あらっ! それじゃ、急いで洗濯物を済ませなきゃね!」
空はピカッと晴れ渡り、天気予報も一日中晴れのマークがついていましたが、夢子さんは大急ぎで洗濯をしたり、買い物に行きました。
「今のうちに遊んでおかないと!」
愛の方も大急ぎで、はしゃぎまわっていました。
そうして・・夕方になる少し前
急にどこからともなく大きな黒い雲がやってきて、バケツをひっくり返したような大雨が、あたり一面叩き降りました。
すでに家についていた二人は、家から外の様子を眺めていました。
「愛のおかげで助かったわ。愛、ありがとう」
お茶を飲みながら夢子さんが声をかけると、愛は恥ずかしそうに、でも少し得意そうな顔になって
「それほどのことじゃないよ・・」
鼻をクンクンと鳴らすのでした。
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