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仔犬は、ほっかほっかのミルクに浸した食パンを、美味しそうに食べていました。
忙しそうな、ピチャピチャという音が聞こえてきます。
夢子さんは、少しずつ与えては「まだ、食べられる? もう少し?」と声をかけました。
そのたびに、仔犬の方も「もっと、ちょうだい。もう少し」と言って口の周りをぺろりと舐めていました。
おかわりを5回したところで
「ふぅ~お腹がいっぱいになった・・・もう・・ねむくなっちゃった・・」
仔犬はパタリと体を横たえました。
「おやすみなさい。ゆっくり寝てね・・・」
夢子さんは、そっと仔犬に毛布をかけました。
そうして、桜舞い散る不思議な夜はふけていきました。
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