特別話 ∞ 綺良綺良と、澪は煌めいて。

25/26
11589人が本棚に入れています
本棚に追加
/309ページ
ねえ、綺良── 私たちに恋人期間というものは殆どなかったよね。焦るように恋に落ちて、心が追い付かなくなるほどのスピードで愛に堕ちたんだね。 あなたに全てを奪われるまで、あっという間だった。 綺良と私のことだから、お互いこれからも「自分を犠牲にするな」と言い合うんだろうけど、私たちが恐れるものはもう一つたりともない。 だって幾つもの奇跡をこの手にしたのだから。 そうだなーうん。 幾度枯れようとも何度でも蕾を咲かせる花のような、そんな夫婦でありたいと私は思う。 「……ああやばいな、今の効いた」 「うん?」 あなたに寵愛されていること、それが私の全てです。だからどうか私を一生あなたのお側に──なんてガラじゃなかった私。 「勃った」 「はっなに当たり前のようにえろってんの?ばかなに発情してんのっ」 「してないから抱かせろ」 「はっ何でこうなんのどスケベ!」 「一発ヌかせろと言っている」 「……サイテえ……て、ちょ、車内はむーーりーー!」 「っ──おい澪、ピンヒールで蹴るな萎むだろうが!」 「萎んでけっこう!!」 とかなんとか愛しの旦那サマをボコボコにしているわけですが、冴島 澪、二十八歳──詰まる所すっごく幸せです。 この度、若サマのご寵愛をうけまして。 『この度、若サマのご寵愛をうけまして。』    Season1~特別話~【END】 ※ 次ページはおまけのあとがきです!
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!