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作戦当日の朝、砦の頂上に集合させられた新隊員は壮絶なモノを見せられる。
「おいお前ら!これがこの砦の先じゃ日常茶飯事だ、自分や隣の奴がいつこうなるかわからない。しかしそうならないように互いでカバーしあえ!」
新隊員の目の前にあるモノとは上半身だけの隊員の遺体だった、しかも階級は少佐だ。
「お前たちの任務は簡単だ。このエリアの向こう側には同じように砦が作られている!エリアから人間以外を排除する。各チームに上官を一人いれた5人チームで動いてもらう、勝手な行動は慎め!解散!」
解散をなされた後も暫く動けないチームもしばしば見られた、しかし綜馬達のチームは階段へ向おうとする。
「上官って誰が来るんだろな、めんどうな奴はゴメンだな」
綜馬が呟くと目の前を歩いていた番条にぶつかってしまう。
「どうしたバンジョー、急に止まるなよ。」
そして前を覗くと目の前に一人、道を遮るように立っている。
赤毛の長髪で首ぐらいで結っている女性がこちらをじっと見て通せんぼしているのだ。
「お前たちが一条緋花率いる緋花隊か?」
緋花隊というのはリーダーの名前か苗字をつけるので他の隊に舐められないように番条の提案で一条がリーダーになっていて、綜馬は深く突っ込まなかった。
「はい、私が隊長の一条緋花です。八条時雨准佐がもしや私の隊に入るのですか?」
「え、緋花。この准佐と知り合いなの?」
綜馬は指を指しながら緋花に聞く、この話から察すると知り合いなのは確かなのだろうが。
その時、何か殺気を感じ綜馬はその八条の方を向く。
「上官に指をさすとは何事だ!」
そしてそれと同時に拳が飛んでくる、しかし綜馬はそれを手のひらで包み込むように受け止めてみせる。
「新兵だからって舐めんなよ、准佐だか知らねぇけど俺より弱い奴には興味なんて無い」
そして握りしめる動作をしようとした瞬間に振り払われ強く睨みつけ言葉を発する。
「流石傲慢の契約者だ、クソ生意気な餓鬼だな」
「はいはい、仲間割れはなしにして下に降りましょう。迅速に任務を遂行したいので」
緋花が手を叩き二人をなだめると下に行くよう催促する。
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