回復と憑依と鍛錬

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 条野が魔力に呑み込まれてから数分後に様子が変わる、周りの魔力が中央に吸い込まれていき姿を表したのだ。  その姿は身体が殆ど炎と同化している姿で東雲よりも衝撃的で条野本人もその姿に驚く。そして一番驚いているのは東雲だったのだ。  「一発で完全憑依を成功させるなんて。もしかしてすごい才能の持ち主なのかも、1回目で完全憑依させる人始めてみた。そ、それじゃあ次は番条くん」  そう言われると番条も条野と同じような手順で憑依をしてみせる。  「憑依しろ、バルバトス!」  唱えると魔力が番条を中心にして渦を巻くように包み込む、そして段々魔力が薄くなっていくと  「なんだその格好」  一言目に出た言葉は疑問の言葉だった、その姿は軍服だが、目元が見えない藍色のとんがり帽子を被っているのと帽子と同じような色をしたマントをしており手には野太刀ではなく狙撃銃に変わっていたのだ。  「番条君のは半憑依ですね、悪魔次第で魔神器が変わる事は多いですよ。偶然悪魔と同じ系統の武器であればそのままですけど。それでは緋花さん、どうぞ」  そして綜馬を残し緋花がレイピアを抜き同じように唱える、そして魔力は他の二人よりも多く緋花を取り巻きどこか違う動きをしている。  「確か緋花さんは最上級の悪魔ですものね、緋花さん程の実力者であれば完全憑依はすぐこなせるのではないでしょうか?」  うろたえる綜馬の横で憑依を解除した東雲は安心させるように補足する。  そして魔力は煙のように消えると東雲の言うとおり完全憑依を成功させたのだ。  その姿は圧巻なものだった、身体よりも大きな赤と紫の大翼に手に持っている刃渡りが1mを超える長剣を持ちただならぬ見えないオーラが発せられているからであった。    「本当に緋花かよ、なんか別人に見えるぞ」  それもそのはずだった、華奢なシルエットが特徴的だったのがいきなり変わり果てるほどにまでなってしまったからである。  「じゃあ最後に四条君、やってみて。大体結果は見えてるけど」  東雲の言葉を理解できないまま綜馬も憑依して見せる。  「ルシファー!憑依しやがれ!」
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