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階段を降りていく5人、しかし上官が合流したとは思えないほどその空気はギスギスとしたものだった。
「そういえば自己紹介をしていなかった、私が緋花隊の上官枠に入る八条時雨、階級は准佐。」
階段を降りながら簡単に自己紹介を済ませると綜馬以外の4人も簡単に自己紹介をしていく、しかし綜馬だけは口を開くことはなかった。
「ちょっと綜馬ーみんなしたんだから綜馬もしようぜ、な?」
1番後列を歩く番条が隣にいる綜馬に肩を組んで揺さぶる、さすがに番条もこの空気は苦手なのだ。
「どうせ言わなくても俺の事は知ってんだろ?つかなんで上官が師龍じゃねぇんだよ」
番条は意外な答えに顔を引きつらせて明後日の方向に顔を向けるのだった。
「ああ、貴様の事は殆ど知っている。それと西条大佐は1番最前衛の師龍隊のリーダーだ、小隊の中では実力は軍トップだ。そんな御方がここに来るはずもないだろう」
ふーんとだけ綜馬が返すと階段を降りきり砦の外側へと出るのだった。
「今回の作戦は次の砦までの範囲の確保。今回小隊が新兵12小隊と4つ熟練小隊がある。しかしここの範囲は都市並に広大だ、その分敵も多く存在する事となる。互いをサポートしあえ、任務を失敗してでも命だけは持って帰れ」
先程上官たちが渡されたという師龍の手紙を読み終えると八条は正にこの通りと言わんばかりにみんなを見て頷く。
「それでは緋花隊、これより任務を開始します!」
緋花の声に5人が荒廃した街の中に走りっていく。
「始まったか、そして?我らが隊は集まったか?」
師龍が目的地の砦の上から新兵が出撃するのを単眼鏡で確認するのと自分の隊が集まったか見渡す。
その時師龍は驚きを隠せなかった、なぜなら全員規定の時間に集まっているからだ。というよりいつも4人だけ集まるのが普通だったからだ。
「零条!なんでお前が規定の時間に?」
「だりーけど俺と同じ七つの大罪の契約がいるんだろ?そりゃ目も覚めるさ」
そう答えると師龍は咳払いし4人に向かい言う。
「俺達はここで新兵達を待つ、後方からもし吸血鬼にや鬼の軍団が来ても俺達で始末する。まぁ今回は零条がいるから気が楽だけどな」
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