初陣と戦闘と実力

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 絶妙なコンビネーションを見せられた八条時雨はそれは男の通じ合うものだけと思っていたが、そのコンビネーションは性格の違う条野や緋花ともましてやあれだけ煙たげていた時雨とまでコンビネーションを見せたのだった。  時雨はこの1回の戦闘で綜馬の強さを見せつけられたのだった。  「ったく、オレの魔神器はモンスター向きじゃないから強さを見せれる機会がなくなっちまうじゃねぇかよ。そのくせバンジョーはいいよな野太刀って人型と獣型の両方に有利だしさ」  時雨はこの言葉を聞いてもし吸血鬼や鬼との戦闘になった際、どれだけの強さを見せるのか分からずにいた。  「ひとまず陣形はこのような感じでいい、獣型の場合は四条はサポート、吸血鬼や鬼の時は最前衛で戦い他は随時指示して動くこと、それから…」  その時綜馬は何かを見つけたような顔をすると時雨の腕を掴み強く自分の方に引き寄せ片方の手はソードブレイカーで時雨の背後にいる敵の攻撃を防ぐ。  細い剣にフードで太陽光を極力受けなくしているその敵は5年前に現れた憎むべき存在。  「注意力散漫だぞ八条准佐、吸血鬼だ」    すかさず横から条野が吸血鬼に攻撃を仕掛ける、しかし吸血鬼はその身体能力でかわして後方へと跳び距離を取る。  「す、すまない。助けられたな」  すると周りから新たな吸血鬼が4体姿を表す。  「ルシファー」  綜馬は一言だけ呟き目の前の吸血鬼を睨みつけ少しだけ姿勢を低くすると空いていた距離を一気に詰め攻撃を次々と仕掛けていく。  その速さは脅威の身体能力を持った吸血鬼すら攻撃を仕掛けれないほどのもので僅か10秒ほどで魔神器を吸血鬼に突き刺す。  「まずは一体目」  他を見ると4人は各々相手をしていた、そして綜馬は両手に持ったナイフを1番近い条野と時雨の方へ躊躇わず投げる。  そのナイフは動いている2体の心臓部へピッタリ突き刺さったのだ、相手をしていた二人は消滅した吸血鬼を見て次に投げた本人の方を向く。しかし綜馬の目線は番条と緋花の方を行き来している。  「あと2体。」
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