初陣と戦闘と実力

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 落ちた2つのバタフライナイフを拾い番条の方へ走り背後を見せている吸血鬼の首元に刃を当てる、人間では動脈の位置する所に。そのまま横に勢い良く引いてもう1体仕留める。  そしてそのまま最後の一体に行こうという時、綜馬の動きがピタリと停止する、なぜなら緋花が吸血鬼を倒したからである。  それを見た綜馬は2本のバタフライナイフを閉め腰の特注のホルダーに戻し一息つく。  「戻れルシファー」  そう言い上官である時雨のもとへと歩く、緋花もレイピアを鞘に戻しながら歩くが他の3人は動けずにいた。  それはそうだ、綜馬が七つの大罪と契約してから訓練していて手合わせしていたがそれとは格段に動きに無駄になく自分と同じ位置にと思っていたが本当は別格、自分では追いつくことができない位置にいることを思い知らされたのだ。  それを1番突きつけられたのは実戦経験が一番多い時雨だった、階級が下で初陣でこれ程の強さだったのだ。  「というよりなんで綜馬君が他の人の吸血鬼まで倒しているのよ、ナイフ投げるだなんて当たったらどうするのよ」  この沈黙を破ったのは綜馬に倒される前に自身で倒した緋花だった、しかも呆れながらだった。  「そりゃ訓練で手合わせしてるから動きが読みやすいんだよ、四条家の唯一無二のなせる技なのさ」      呆れたようにため息をつくと二人は今になって3人の様子に気が付く。  「なに3人ともしょぼくれてんだよ、初めての吸血鬼との戦闘をオレに取られたのそんなに怒るもんなのか?」  綜馬は3人の心の内を読み取れずに緋花に助けを求める、その緋花は3人の心を読み取り声をかける。  「実力が違うのは契約した悪魔の時点で格が違うの、けど強さなんてそれだけじゃない。綜馬君が持ってないことを極めればいいの、単純な話に足を止めないことね」  最後の一言は上官の時雨に告げられたもので、その言葉で時雨は正気に戻り前進する。  あちこちで悲鳴が聞こえてくる、それは誰かが命を落としたかもしれないということになる。  「そういや、吸血鬼ってみんなあんな弱いのか?あれだったらすぐ全部殺せそうだな」  「奴らは下位の偵察隊だ、上位や地位を持ってる奴らはあれより強い。もし地位レベルの吸血鬼が出たらこの隊は全滅かもしれない」  それを聞き綜馬はふーんとだけ返したがそれなりに考えていた。  
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