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あれは いつだっただろう 今日の 深紅に染まった 夕日を 見て わたしは 思い出していた あの日 見た あの 紅い夕日
私は ポケットから クシャクシャになった 煙草を 取り出し 曲がった タバコに 火を付けると 一息に 煙を 身体に 取り込んだ 深く ゆっくり 確かめるように 一旦身体にとどめて おいて そして 一気に 煙を 出した そうしたら あの日の 奇跡
イルカたちが 見せてくれた リングのような 煙が 空に向かって たゆたう ゆらゆらと 登っていくのを 見つめていた
そう あの日 私達はドルフィン ウォッチに とある 南の島に ダイビングに 出掛けのだった もう遠い昔の 話だ あの頃 私は 独りでは 無かった そして 奇跡を みたのだ もう 私の 人生も そう 長くは ないだろう
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