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思わず見つめてしまっていた視線をテーブルの上に戻す。
……皮のぱりっとしたウィンナー、ふわふわとろとろのオムレツ。
カッテージチーズのかかったサラダに、ミネストローネ。
よくしみ込んだフレンチトーストに、ジュース。
ジュースはたぶん、キッチンの様子から見るに、絞りたて。
目が覚めて、シャワーを浴びてきたらいいと云われ、お言葉に甘えるしかなかったので云われた通りにして出てきたときにはテーブルに並んでた。
「なに?まさか口に合わないとか云わないだろうな」
「……いえ。
豪華すぎて驚いてます」
「これで豪華って、普段どんな食生活を送ってるんだ、君は」
皮肉たっぷりに笑われて、ああやっぱり課長なんだって思う。
昨日見たあれは、きっと幻。
食事が終わって、コーヒーを課長は淹れてくれた。
ソファーの前の硝子テーブルには煙草の、箱。
黙ってくわえ、火をつける課長をぼーっと見てた。
灰皿はなく、置かれていたのはどう見ても適当なお皿。
……普段、家で煙草吸わない人なのかな?
沈黙のなかコーヒーを飲み終え、そそくさと帰ろうとしたら止められた。
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